素直に言えるわけないじゃないか

あたしは実は、某片恋の友人について知っていることが少ない。

やたら辛い味も平気、とか。
お酒得意じゃない、とか（ダイニングバーで働いてるくせに）。
ジャンプ読むとか、車はアコードとか。
静かなとこが好き、仲間内できゃいきゃいするのは嫌いじゃないとか。
まだ部屋が殺風景で、ほんとはテレビとか置きたいとか。

そんくらい。

あたしには、いとおしいひと。
だけど、奴にとってあたしは友達未満の存在なんだと思う。
なんとなくだけど。

だから頑張って、距離を遠く保つ。

彼の行く道は、私には知り得ない道で。
あたしは、ずっと彼を応援してるって決めたの。
きっとそれしか、あたしは彼にできないから。


あたしが“全部諦めた”って知ったら、ガッカリするかな？ 何でもっと頑張らないんだって言うかな？
それとも、納得するかな。
『海外なんてムリだ』って言ってたしなぁ（言いきられたんだよなー）。

…あたしの決める事なんて、どうでもいいか(笑)


だけどアレだな。
諦めることに関して、やっぱ泣いちゃうんだよ。
悔しいのか。
悲しいのか。
情けないのか。
そーゆーのわかんないけど。

だけど、想像以上に、頑張ろうって力がなくて。
奮い立たせる自信もなくて。
あたし実は結構虚勢張って生きてたかー。
この先ってどうしたらいいかなー、実は真っ暗くさくね？
――なんて、自分の内側の空っぽさ加減に、ガッカリなんだ。


こんなとき。
誰かが側にいてくれたら。

彼の気配が、少しでも近かったら。

…あたしはまた、立ち上がれるのかなぁ…？


や、甘えてるだけだな

生き抜こう。
頑張ろう。


『会いたい』なんて、言えるわけがない。